欧米諸国の域を超えたIBDの変貌

炎症性腸疾患（IBD）は全世界でみられる疾患となってきており、アジアやラテンアメリカの国など欧米以外の国での発生率が上昇している

炎症性腸疾患（IBD）領域における人工知能（AI）と機械学習：期待できる活用と残された課題

米国人の100人に1人近くが炎症性腸疾患（IBD）に罹患しており、毎年最大で56,000例の新規症例が診断されている。IBDは複雑な疾患であり、その症状、可能な治療アプローチ、患者の転帰は多種多様である

炎症性腸疾患：組織学的炎症は女性の妊孕性低下と関連する

炎症性腸疾患の女性患者における組織学的炎症は妊孕性の低下につながる可能性が、スウェーデンの全国コホート研究で示された。妊孕性の低下は、臨床的活動性が認められない場合でも組織学的炎症と関連している

幼少期における質の高い食事が後年の炎症性腸疾患を予防する可能性

1歳時において質の高い食事を摂取していた小児は、後年に炎症性腸疾患を発症するリスクが25%低下していたことが、スカンジナビアの2つの出生コホートから得られた前向きプールド・データから示唆された

主要塩基性タンパクの発現レベルにより好酸球性食道炎とIBD関連好酸球増多を区別できる

好酸球性食道炎（EoE）は、主要塩基性タンパク（MBP）といったバイオマーカーの発現量を測定することにより、炎症性腸疾患（IBD）による好酸球増多と区別できる。

心理療法等の気分の改善を目的とする介入はIBD患者の炎症を軽減する可能性がある

心理療法、抗うつ薬による治療、運動など、気分の改善を目的とするさまざまな介入により、炎症性腸疾患（IBD）患者における炎症の一般的なバイオマーカーおよび疾患特異的バイオマーカーが低下する

アシルカルニチンがディスバイオシスを介してIBDの発症機序や疾患経過に関与する可能性がある

研究者らによると、小児の炎症性腸疾患（IBD）では、カルニチンおよびアシルカルニチン濃度の上昇はディスバイオシスの程度と疾患活動性の上昇に関連する。

AIが潰瘍性大腸炎の粘膜治癒の検出に有用である可能性が示される

人工知能（AI）システムは、潰瘍性大腸炎における粘膜治癒の検出に有用である可能性が高く、十分な診断能を示すことが、新たなシステマティックレビューおよびメタアナリシスによって示された。

直腸がんの発生リスクは結腸切除術後10年で顕著に上昇する

結腸亜全摘および直腸空置術を受けた炎症性腸疾患（IBD）患者は、手術後10年目で空置直腸における直腸がんの発生リスクが「顕著に上昇する」可能性がある

ChatGPTは救急外来を受診した急性期の潰瘍性大腸炎患者の管理に関する判断に役立つ可能性

人工知能（AI）を活用したチャットボットChatGPT（OpenAI社製）は、救急診療部（ED）を受診した急性期の潰瘍性大腸炎（UC）患者を評価する上で、信頼できる臨床的判断支援ツールとなる可能性がある

米国では約100人に1人がIBDと診断されている

新たな包括的解析により、これまでに推定で240万人の米国人が炎症性腸疾患（IBD）と診断されており、毎年最大56,000人の新規症例が診断されている。

治療困難な炎症性腸疾患を定義する

治療が進歩したにもかかわらず、炎症性腸疾患（IBD）患者の多くは、さらなる治療を受けても寛解を達成・維持できない。これまで、この慢性疾患に苦しむ患者に焦点を当てた研究の解釈を妨げてきた大きな障害の一つは、標準的な基準や定義の欠如であった。