JAKがサイトカイン・シグナル伝達を仲介する機序
サイトカインは、細胞内でさまざまなシグナル伝達経路を活性化し、細胞の核内に移行する転写因子を活性化することで、標的となる遺伝子の発現を制御します。JAK-STATを介してシグナル伝達するサイトカインは50種類以上あると考えられていますが、今回は、関節リウマチの病態に関与するサイトカイン・シグナル伝達について例を挙げ、産業医科大学医学部第1内科学講座教授 田中良哉先生にご解説していただきます。
ondemand_video動画[4分14秒]
- 演者
- 産業医科大学医学部第1内科学講座 教授
田中 良哉 先生
目次
- サイトカイン【0:00】
- サイトカインシグナル伝達 (IL-15を例に)【0:40】
- IL-6と関節リウマチ【2:10】
- IL-21と関節リウマチ【2:55】
- GM-CSFと関節リウマチ【3:20】
- まとめ【3:38】
JAK1/JAK3を介したシグナル伝達
IL-15受容体内の細胞内ドメインでは、JAK1とJAK3が結合しています。IL-15がIL-15受容体に結合すると、直ちにJAK1/JAK3が活性化されるとともに、STATという転写因子がリン酸化されます。

pSTATの遺伝子転写誘導
リン酸化されたSTATは二量体を形成して核内に移行し、 遺伝子転写を誘導します。このようにJAKは、サイトカイン・シグナル伝達経路の最上流で、シグナル伝達を仲介します。
