関節リウマチ(RA)の治療目標は、疼痛を抑えると同時に、日常生活を支障なく過ごせるための機能を保つことです1)。D2T-RA(Difficult-to-treat RA)は治療目標の達成が困難な状態とされており、D2TーRAの定義(EULAR)の1つに「グルココルチコイドの漸減ができない(PSL7.5mg/日未満または相当量)」と記載されています2)。また、D2TーRAに関連する患者特性の一つとして「6ヵ月を超えるグルココルチコイドの使用」が報告されています3)。D2T-RAをつくらない関節リウマチ治療とShared Decision Makingの重要性について、聖路加国際病院Immuno-Rheumatology Center 岡田正人先生にご解説いただいております。

1)岸本暢将、岡田正人編:関節リウマチの診かた,考えかたver.4 中外医学社, 2020
2)Nagy G, et al. Ann Rheum Dis 80:31‒35,2021
3)Giollo A, et al. Rheumatology 62(6): 2083-2089, 2023

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「関節リウマチ診療ガイドライン2024改訂薬物治療アルゴリズム(日本リウマチ学会)」の注記において、副腎皮質ステロイドは「早期かつcsDMARD使用RAに必要最小量を投与し、可能な限り短期間(数カ月以内)で漸減中止」することと記載されています4)

D2T-RAをつくらないためのグルココルチコイドの使用方法②

JAK阻害薬の1つであるジセレカは、投与後におけるグルココルチコイド投与量の変化が報告されており、関節リウマチ患者126例を対象にジセレカ投与後のグルココルチコイド投与量などが後ろ向きに評価されました5)

D2T-RAをつくらないためのグルココルチコイドの使用方法④

4)日本リウマチ学会編: 日本リウマチ学会関節リウマチ診療ガイドライン2024改訂, 図1, p.17, 2024, 診断と治療社
5) La Barbera L, et al. Clin Exp Rheumatol. 42(5): 991-998, 2024を基に作成

ondemand_video動画[15分16秒]
演者
聖路加国際病院Immuno-Rheumatology Center
岡田正人先生

目次

  • 個々の患者さんに適した関節リウマチ治療と Shared Decision Makingの重要性【00:30】
  • D2TーRAを作らないためのグルココルチコイド の使用方法【02:10】
  • FINCH1試験:試験概要【04:45】
  • FINCH1試験:患者背景【06:24】
  • FINCH1試験:投与12週時のACR20改善率 (主要評価項目〔検証的評価項目〕)【06:34】
  • FINCH1試験:投与24週時のmTSSのベースラインからの変化量 (主要評価項目〔検証的評価項目〕/追加された評価項目)【07:40】
  • FINCH1試験:投与52週時のmTSSのベースラインからの変化量 (副次評価項目/追加された評価項目)【08:31】
  • FINCH1試験:CDAIのベースラインからの変化量の推移 (副次評価項目)【09:03】
  • FINCH1試験:投与12週時、24週時、52週時の臨床的寛解の 各指標の達成率(副次評価項目/追加された評価項目)【09:15】
  • FINCH1試験:全体集団における投与52週時までの安全性 【10:19】