関節リウマチの治療ゴールは臨床的寛解の達成とその先にある構造的寛解（ΔmTSSが年間0.5点以下）、そして機能的寛解により^1）、QOLの最大化と生命予後の改善を目指すことです^2）。機能的寛解の指標であるHAQ^※1を0.5以下とするためには、関節破壊による身体機能障害が起こる前の早期に適切な治療介入を行うことが重要です^3）。特に肩・膝・肘関節といった大関節の障害は、患者さんのVAS^※2やHAQに大きく影響することが知られています^4）。
予後不良因子としての大関節罹患とSeropositivityを考慮した関節リウマチ治療について、大阪大学大学院医学系研究科 整形外科 准教授 蛯名 耕介先生に解説していただきました。

1. HAQ：Health Assessment Questionnaire
2. VAS：Visual Analog Scale

1）田中良哉. 日内会誌. 2019; 108(3): 393-400.
利益相反：著者はEisai Co. Ltd.から講演料、寄附金を受けた。
2）Fukuda W, et al. Arthritis Res Ther. 2022; 24(1):190.
利益相反：著者にGilead Sciences Inc.、 Eisai Co. Ltd.から講演料、謝礼等を受領した者が含まれる。
3）Nikiphorou E, et al. Ann Rheum Dis. 2016; 75(12): 2080-2086.
4）Tanaka E, et al. Arthritis & Rheumatism. 2005; 536: 864-871.
利益相反：本研究はEisai Co. Ltd.の資金提供及び支援により行われた。